
今年の小学校の卒業式は3月19日でした。その日の朝のことです。男子児童はネクタイを締めて、女子児童もおめかしをして、6年生児童が登校してきました。いつもは誰が何年生かよく知らないまま挨拶を交わしていました。今日はどの子が6年生なのか判ると楽しみにしていました。
言うまでもありませんが、子どもの成長は目覚ましい。(残念ですが高齢者の身体は「逆も真なり」です。)驚いたことに、今年卒業する男子児童の多くは6年生だとは思っていませんでした。最近私に「お名前を教えてください」と聞かれたことがあり、それに応えると、「中島さん、おはようございます。」という児童が現れました。それを見て成長したなーと思っていたところでした。女子児童の方が成長は速いようです。照れくさそうに「今日はいい天気ですね。」と大人顔負けの挨拶を登校時にするようになっていた女子児童も、やはり6年生だと判りました。見た目では6年生と判らなかった、おとなしそうな女子児童もいました。子ども達を見て、恐らく何年生だろうと私が想像するよりも、実際は1学年くらい上のことが多いと思っています。「〇年生?」とたまに子どもに聞く時には、子どもを傷つけないように注意しなければ、と私の頭の片隅の留意事項にあります。
「卒業おめでとう!」と見てすぐ分かる6年生全員に私は声を掛けます。実は前日に女子児童のグループから、寄せ書きをした画用紙を「さし上げます」とプレゼントされました。それには私が立つ通学路を通る9人の6年生児童の感謝の言葉が氏名とともに、ポストイットに書いてありました。「毎朝挨拶してくれてありがとう」、「何時か教えてくれてありがとう」、「毎朝ジャンケンしてくれてありがとう」、「学校に楽しく通うことができました」など等。例年は作文をした原稿用紙の束が学校から回覧されてきましたが、今年はこの通学路を通る6年生の代表が、「見守りおじさん」に直接渡してくれたのでした。
男子児童に「卒業おめでとう!」と言うと、「ありがとうございます、中学校は向こうだからこの道を通るのは最後です。中島さん、さようなら!」、と毎朝必ずジャンケンをする男の子から声が返ってきました。私も「さよなら!」と応答しましたが、「また町の中でも会いましょう!」とも付け加えました。実は私はこの通学路と一体の存在です。悲しいかな、(かかしではないのに)通学路に立っていなければ、私はあまり認識してもらえない存在なのです。しかし通学路ではない町の中で会っても、私は子どもたちに認識して欲しいのです。以前、町のお祭りの公園で見守り時に会う子どもに会った時、「このおじさん知ってる?」と尋ねると、通学路と一体ではなく存在している「おはようおじさん」に驚いたようにして、認識してくれた子どもがいました。私としては町の他の場所であっても、子どもと挨拶を交わしたいと思います。もうすぐ4月には新しい一年生が加わり、一年後には次の卒業生最後の登校の日がやって来るでしょう。(中島正博)