60代からの友活

退職後の生活に必要なのは「キョウヨウ(今日用=今日用事があること)」だと言われる。退職後の生活は幼児期以来の人生の大変化だ。幼稚園に通い始めて以来、日曜日以外は毎日学校や職場に通う生活を多くの人が経験してきただろう。自営業の人に定年はないが、サラリーマンは定年で「ご苦労様でした。」という現在完了形になる。私の定年は65才だったが、その数年前頃に先輩諸氏からキョウヨウについて聞く機会があった。「定年と同時にキョウヨウを作るのは難しい、定年前から準備しておくことが必要だ。」ということも教わった。それほど実感はなかったものの納得して、私はどんなキョウヨウを準備しようかと考えた。ボランティア活動はしたいが、具体的な内容はまだ明確ではなく、「コミュニティづくり研究所」のアイデアをあたためていた頃であった。

ボランティア活動と同時に他にもやりたいことはあった。その一つはダンスであった。私の20代、30代にはディスコダンスが流行していたので、パーティーやディスコ・バーに行けば踊る機会がたまにあった。私の神経はディスコミュージックに反応をして、振り付けも曲も知らなくても、自然に体が動くことを知った。またモダンバレーやモダンダンスのコンサートを鑑賞して、その動きの美しさに魅了される自分がいることも発見した。

そんなことから、昔から関心のあったダンスと係れる場をネットで探して「コミュニティダンス」と出会った。私のライフワークである「コミュニティ」づくりと、私の体が楽しい「ダンス」の文字の組み合わせは魅力的であった。早速コミュニティダンス普及のために1年に1度(3泊4日)実施されるコミュニティダンスのファシリテーター養成スクールを、2年間に亘って受講したのである。突然ファシリテーターになるのは無謀だが、「コミュニティダンス」の理念に強くひかれた。私は年齢・性別の点でマイノリティの受講生ではあったが、それにも負けず修了した。全国から集まった受講生からなるネットワークのコミュニティがその後フェイスブック上にもでき上り、結果的に私の「友活」に繋がったのである。

もう一つダンスでできた仲間たちがいる。私は自分の健康のために、自宅近くのスポーツジムに退職する1年前から通うようになった。退職した現在ほぼ毎日通って一日2時間ジムで過ごしている。ジムでの私の活動はエアロビクスと水泳だ。エアロビクスはダンスの要素が強いクラスに参加している。高齢男性の私はそのクラスでもマイノリティであるが、ダンスの運動と振り付けを楽しんでいる。そしてクラスに仲間もできた。飲み会にも誘ってもらった。エアロビクスのクラスを超えて、知り合いの輪がさらに広がっている。

退職後に始めた活動の仲間もいる。地元の町内会が主催する太極拳のクラスだ。こちらは週1回なので時間的に大きな負担ではないし、動き回るエアロビクスと対照的に、体をゆっくり動かすので、別のアプローチで身体の刺激になっている。退職前は自宅と職場を往復するのみの生活で、地域の人と会うことは少なかったのだが、太極拳が退職後の私の地域デビューになった。このクラスも高齢男性の私はマイノリティだが、地域のコミュニティづくりを考えている私には必要で貴重なコミュニティでもある。地域にどんな人が住んでいるのか、その一端を垣間見ることができる。これも「友活」の一つになるだろう。全国レベルでは「お父さんお帰りなさいパーティー」が退職後男性の地域デビューを応援している。後日、改めて調べ記事として報告したい。(中島正博)

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