子育て支援活動と地域コミュニティ

子育て支援活動のためのオープンスペースは、乳幼児とその保護者が集い遊べる場です。日本のほぼ全小学校区に子育て支援の団体があります。その活動の運営に携わっている主任児童委員の方にお話を伺ったので、今回の記事ではその内容をインタビュー形式でご紹介します。

〇子育て支援活動に携わっている理由は何か教えてください。
先ずその活動は主任児童委員の仕事だからです。また、最近は近所づきあいが少ないので、親子が孤立しないように、遊びの場を提供することです。
〇子育て支援に対して行政による支援はありますか?
区役所から、参加する親子とボランティアに対して、ケガに関する保険に入らせて頂いています。地区社会福祉協議会からは助成金をもらって、おもちゃや本を買ったりしています。ボランティアの人たちに対しては、広島市から「高齢者いきいき活動」*の最高の4ポイントが与えられています。(*高齢者の社会参加を促すための広島市の施策。)
〇いつ頃、始めましたか?
私は18年前から関わっていますが、その3~4年前からこの活動があり、私はそれを引き継ぎました。
〇どのような方法で子育て支援をしていますか?
毎週木曜日の午前10時から12時まで児童館で行います。おもちゃや絵本で自由に遊んでもらっています。親子は自由に遊んでいますが、ボランティアはそれを見守っています。月に1回ボランティアが絵本の読み聞かせをして、月の最後の木曜日は児童館の先生方と一緒にこどもの誕生日会をしています。
〇支援する側の人たちは、何人くらいでどんな人たちですか?
子育てを終えたボランティアの主婦が10人くらいと児童館の先生が6人です。児童館の先生は毎月いろんな遊びをこどもたちに提供してくれます。
〇支援される側の人たちは何組くらいの母子ですか?
昔、始めたころは50組くらいいたが、最近は減って今年は特に少なくて15組くらいです。広島市の児童委員の会議の話によれば、どの地域も減っているようです。その理由は働く母親が増えて、こどもを保育園に預けるからでしょう。
〇支援される側の母親やこどもは、どんなメリットを得ていますか?
・母親にとって:気分転換になると思うし、子育てをしているお母さんたちといろんな情報交換の場になるし、母親同士が友達になっています。連れてきている自分のこどもが長子である場合、2番目や3番目の子供を連れている先輩のお母さんに相談をしたりしています。年下の子を私たち支援する側が世話して、母親がいつも遊んでやれない年上の子の面倒をみてあげられる効果もあると思います。
・こどもにとって:自宅と違う環境で他の子どもたちと遊べるし、広い場所なので走り回って遊べます。こども同士が友達になって、その関係が続くこともあります。同じ幼稚園に通うこともあります。また幼稚園に入る前に、ある程度の社会生活ができるので、入ってから楽だったという話も聞きます。
〇支援する側の人たちは、どんなメリットを得ていますか?
ボランティアの人たちは60歳以上の人なので、若い人たちやこどもから元気をもらえるといつも言われています。また家に閉じこもっていても良くないので、来させてもらってありがたいとも言っています。ボランティア同士がいろんなおしゃべりをして、リフレッシュできていると思います。
〇支援される側と支援する側で興味深いエピソードがあれば紹介して下さい。
・子育て支援の場を終えて、小学校に入ったこどもの母親から、こどもの様子を教えてくれることがあります。実はこどもが発達障害だったとか、学校に行きにくい事情があることなどを聞き、いろいろ相談を受けることがあります。子育て支援活動に携わっていなかったら、普通そのような話はされないので、主任児童委員としての活動がしやすくなることがあります。
〇子育て支援活動から巣立ったこども達について、興味深いエピソードがあれば紹介して下さい。
子育て支援活動に来ているのは3歳くらいまでのこどもですが、その後小学校に入った児童が支援活動の場に時々来て、活動を手伝ってくれることもあります。
〇子育て支援がコミュニティづくりに貢献した、興味深いエピソードがあれば紹介して下さい。
誰が住んでいるかも分からない町の中で、母親同士の繋がり、母親と主任児童委員やボランティアの繋がりが生まれ、年月を経ても互いに挨拶などをしたりします。
〇今後の活動の課題としてどんなことがありますか?
ボランティアが減ることはあっても増えないことが課題です。子育て支援の場に来てみたらよいのだけど、最初の一歩が重いのでしょう。
〇子育て支援ボランティアを新たに始める人へのアドバイスはありますか?
あまり難しく考えないで、遊びの場所を提供したり、見守ったりするくらいの気持ちで、ボランティアの活動に参加して欲しいです。

今回のインタビューは以上の通りです。子育て支援活動もコミュニティづくりの一端を担っているようです。子育て支援活動のように、人びとのいろいろなニーズを満たす無数の小さな繋がりが集まって、コミュニティは生まれ成長するものだと思います。ニーズを見つけた時に自ら動けば、何かが始まるかもしれませんね。(中島正博)

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