復興プロジェクト「一人一花 in 能登半島」が始動

一人一花 in 能登半島のロゴ 出典:一人一花 in 能登半島

能登半島で「一人一花 in 能登半島」のプロジェクトが始まったことを新聞報道で目にしました。そのプロジェクトの花壇の第一号が2025年3月22日、第二号が4月30日に石川県七尾市で完成しました。今後5月14日は輪島市と珠洲市で、15日は穴水町で花壇ができる予定だそうです。能登半島の全域で取り組む震災後初の復興プロジェクトになるとのことです。明るいニュースに触れたのでこのブログでも紹介したいと思います。「一人一花 in 能登半島」プロジェクトのサイトを見ると以下のように紹介されています。

「地震により多くの家屋が被災し、公費解体が進む中で、地域内に空き地が急増しています。こうした空き地は、復興の風景に“寂しさ”や“空白”を生み出し、地域住民や来訪者に不安や孤立感を与える要因となっています。また、地域のつながりや活動拠点が物理的にも喪失されており、暮らしとコミュニティの再生を支える新たな場づくりが求められています。各地域では、自治会や商店街、住民グループなどが主体となって、花植えや花壇・ベンチなどの簡易整備を行い、空き地を地域の交流拠点として活用していただきます。震災の影響で生まれた空き地を、地域ごとに異なる形で活かしながら、能登らしい風景をつくっていくことを目指しています。また、地元の人々と全国の支援者をつなぎ、共に復興を進めることを大切にしています」。

このプロジェクトのために「一人一花 in 能登半島実行委員会」が、全国からの支援と能登半島各地域の活動を繋ぐプラットフォームとして機能します。公費解体で増える空き地の暫定利用を模索する実行委員長で、地元七尾市の建築家の岡田翔太郎さんが企画しました。福岡市が推進する「一人一花運動」のコミュニティガーデンを参考にしたとのことです。全半壊した建物を県や自治体が所有者に代わって費用を負担する「公費解体」が進んだ結果、空き地が増えている街の寂しい風景は私にも想像できます。その空き地に雑草が生い茂れば、それは住民たちが減って街が寂れることを暗示して、街の人びとの気持ちを暗くするのではないかと心配します。そして能登半島地域の復興を先導する「心の復興」を阻害するのではないかと、老婆心ながら私は恐れます。

そのような空き地を解体跡地の利活用が決まるまで花壇にして、花の世話をする住民たちの交流の場として、コミュニティの再生に貢献するアイデアは素晴らしいと思います。地元の人たちは「更地が多くなって本当に寂しい街になった」と言います。このプロジェクトのコミュニティガーデンによって「心の隙間を埋めたい」、「見に来る人がいるかもしれない」、「色とりどりで明るくなるし気持ちも明るくなる」、「街の希望につながるのではないか」、「復興の第一歩として能登半島全体に広がり、街の再生につながっていけば良い」などと、地元の人たちはこの取り組みに大いに賛成のようです。

東日本大震災の後、「花は咲く」の復興応援ソングが、再生の希望や連帯の象徴として、日本全国で歌われてきました。そして実際に多くの被災地で花壇が作られ、そこに植えられた花々が街を彩り、住民の心を癒しました。花壇作りは地域住民同士の絆を深め、共同作業を通じてコミュニティの再生を促進する活動でもありました。東北でコミュニティの再生・復興への歩みは今も続いています。

能登半島地震からの復興には一定の年月が必要だと思いますが、復興を成し遂げるまでの間、能登半島の街中に広がる花壇が、能登の人たちの心を応援し続けるよう願っています。(中島正博)

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