ひろしまジン大学の授業に参加(3)

ひろしまジン大学」の「はつかいち暮らしのことゼミナール」第3回授業に参加しました。今回の12月21日の授業のテーマは「共有してみる」でした。今回に先立つ授業では、予想される孤独な日本社会の将来イメージを9月の第1回で学びました。10月の第2回では、「20年後にどんな暮らしをしていたいか」と想像し、それに向けたゼミ生の企画「小さな自分の取り組み」を11月~12月にかけて実施し、その結果を今回第3回のゼミ生の皆さんが共有しました。

前回の授業でゼミ生が考えたさまざまな「取り組み」は、何らかの形で地域社会の人と新しい関わりを創る斬新なアイデアです。その取り組みを実施した結果の発表は8件ありました。私が理解したことを短縮して発表の順に紹介します。最初の発表は「みんなで鍋&本とおもちゃの交換会」でした。ゼミ生の家族を中心に25人が集まり鍋会を楽しみながら、1人1冊の本やオモチャを持ち寄り、交換したそうです。家族ぐるみの交流をして、仲良くなれて暮らしを豊かにできることが実感できたそうです。

2番目の発表は「引きこもりのこどもと魚釣り」を実施した2人です。不登校のこどもとその親を誘って魚釣りを楽しんでもらい、家から外に出るきっかけをつくってあげました。その後、こどもが引きこもりから出る兆候が見られたそうです。魚釣りは動物相手なので、いわばアニマルセラピーの効果があったかもしれないと思いました。

3番目の発表は前回のこのサイトで報告した、私の「こども食堂に参加してみた」です。私の目的は食堂に来る小学生のこどもと会話を交わすことでした。初めて会った3人の食事中の小学生を相手に、会話が続きにくいことを経験しました。また食堂の多くのお客さんは母子の組み合わせで、母子の間に入って話すのは不自然に思ったので諦めました。結局、食堂で忙しく働いているお母さんスタッフの幼児のお世話をしました。遊んであげたり、食べるのを手伝ってあげたりして、結構忙しくしました。私の初めてのこども食堂への参加は、忙しい食堂スタッフの子守でしたが、こども食堂が無事に営業をする一助にはなったと思います。

4番目の発表は「多世代交流の場をつくってみた」2人です。多世代として、高校生、主婦、高齢者の3グループの方々と座談会をしました。その結果、自分の世代以外の人びとがもつ価値観に触れ、未経験のライフイベント(育児や家族介護)から学び合うことができる。そして世代を問わず、誰かの役に立っていると実感できることが、「暮らしの豊かさ」になることに気付いたそうです。

5番目の発表は「おじいちゃんにありがとうを言ってみた」人です。農作物を作ってそっと自転車のかごに野菜を入れて下さる、一人暮らしのおじいちゃんが近所にいます。「おいしい、ありがとう」とおじいちゃんに言ったら、近況も話せるコミュニケーションが生まれ、互いに気にかけ合えるようになりました。それは安心して暮らせるまちづくりの大切な条件ですね。

6番目の発表は「コンビニでサロンの可能性を調べてみた」人です。最寄りの幾つかのコンビニで、お客の滞在時間や消費税を調べ、コンビニ・オーナーの反応などについて探りを入れた結果、何とか出来そうだとの感触を得ました。新しいタイプの居場所に向けて、もう少し前に進めてみるそうです。

7番目の発表は「思い出を通じて地域に触れてみた」3人です。集会所で行われたサロンに参加して、地域の人びとに土地の歴史や思い出を話してもらい、「住民にとっての地域」に触れました。このような活動を応用すれば、地域の若い人や新しい住民にも、地域への愛着心が生まれて、新旧住民の分断が薄まるかも知れません。そして地域の「意味」を知ることは、生活の豊かさにも繋がりそうです。

8番目の発表は「地区のお祭りに寮生を誘って参加したい」人でした。地区のお祭りは住民が出会い親睦を深める機会ですが、祭りに無関心な住民が多いのも現実です。その結果、住民同士が知り合う機会が減ります。この現状に気付いたゼミ生が、自分の住む寮の友人と一緒に、祭りに参加する取り組みをしました。寮の友人に誘われたら祭りに参加するのでは!これはよいアイデアだと私は感心しました。しかし結果は、誘った友人6人全員から断られたのです。なぜでしょうか?現代の都市社会の反映でしょう。祭りに行っても、会場に知人の存在が期待できなければ、足が遠のきます。都市は互いに縁のない人が集まってできたので、知人は少ないでしょう。特に寮は仮の宿です。知人がいなければ、祭りに参加する習慣も生まれないと私は思います。祭りに参加する以前に、知人の小さなコミュニティが必要なのでしょう。

以上、8組の小さな取り組みを紹介しました。将来、今よりも多くの人たちが互いに関わり合い、少しでも豊かな暮らしをするために、私たちに何ができるのか知恵を出し合った一つの実験が、今回のひろしまジン大学の「はつかいち暮らしのことゼミナール」3回シリーズ授業であったと思います。ひろしまジン大学の主催者の報告は「授業レポート」のサイトで近いうちに掲載されるでしょう。このような試みがジン大の授業や生涯教育の場で、今後もさらに続けられると良いと思います。(中島正博)

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