初めてこども食堂に参加しました

昨年2月に「こども食堂」についてこのサイトで記事を掲載しました。その時は講演での学びを中心に記事を書いたので、後日こども食堂へ実際に行くことを私の宿題にしました。12月になって二つのこども食堂へ行く機会があったので、その経験を記事にしました。

先ず12月6日、広島県廿日市市のレストランで実施された「こども食堂」に、午後3時半から6時過ぎまで参加しました。食堂の経営者に高齢者ボランティアとして参加して欲しいとある機会で言われたのです。子ども食堂の開店時刻の前は、食堂のスタッフが調理の準備に忙しいので、そのお子さん(幼児)の遊び相手をして、時間を過ごしました。開店すると三々五々お客さんが食事をします。最初小学生の3・4年生の子供が食事を始めたので、「子供と大人の交流のチャンス!」と、小学生のテーブルに同席して、「みんな何年生?こども食堂にきて友達が出来た?」などと、会話を始めました。少々会話をしましたが、その後に話が続きません。知らないおじさんがそばにいて、彼らの居心地を悪くしてはいけないと遠慮して、やむなく私はそのテーブルを離れました。初めて会ったこども達ですから無理もありません。交流が成立するためには、私が食堂に何度か通って、子供達と顔なじみになることが必要でしょう。または私がもっと面白いおじさんで、手品の一つでもできれば、異なる展開が期待できたかも知れません。

こども食堂にはいろいろなタイプのものがあります。この食堂は、お母さんとその子供が一緒に参加しているお客さんが大半でした。お母さん方は食堂を経営する方の同年代が多く、経営者の人脈を反映しているように思いました。母親と幼児の間に私が入って会話をするのも変ですし、私は居場所を失ったようです。結果的に、食堂で忙しく働くスタッフのお母さん方の子供(幼児)の食事のお世話をしました。こどもは良く食べ、おかわりを求めて動き回るので、食堂の中はさながら「戦場」のようです。幼児達だけで食事をする様子は危なっかしく、お皿を持つ手もとはおぼつかなく、私のお手伝いは役に立ったようです。

食堂の2階の居間では、ボランティアのお母さん方によって、食事の前後の子供たちを相手に工作のワークショップが行われていました。食事を提供する居場所だけでなく、遊びの場にもなっていました。なおこのこども食堂は月一回開催されており、子供のみならずお母さん方のコミュニティの役割を果たしているようでした。

こども食堂訪問の勢いがついたようで、間もなく二つ目のこども食堂へ行く機会がありました。広島市西区の小学校の直ぐ近くで、こども食堂が開業されたことを噂に聞いていました。この食堂も月一回こども食堂を開催しており、12月は22日に行うと店に張り紙がありました。11時半に開店して12時に食事を開始し、午後1時頃に終了するようです。

冒頭の廿日市市のこども食堂のように、私はボランティアを依頼されたわけではありません。子供も大人も食べに入っても良いようなので、私はお客として11時半過ぎにこのこども食堂へ入ってみました。食堂の経営者がおられたので、先ずご挨拶をしました。普通の食堂と異なるのは、客は名前、住所、電話番号などを書きます。食堂の中を見ると小学生が4人、すでにテーブルについて、食事前の時間を折り紙の遊びで過ごしています。折り鶴や紙飛行機を作っていたので、彼らとすぐ話ができました。また最近、小学校のイベントに私が参加した経験から少し話をしました。私は児童の登校見守りボランティアの活動で、この小学校区の4分の1程度の児童と顔見知りですが、私が担当している通学路を通る児童は食堂にいませんでした。もし顔見知りの児童がいれば、きっと楽しい会話ができたと思います。他には親子の客が一組と、経営者の知り合いらしい大人やボランティアの方が数人いました。小学校のすぐそばなので、このこども食堂は親子中心ではなく、子ども中心のはずで、多い時は食堂が一杯になるそうです。

正午になると、私たちが食べる命に感謝してご飯を頂きましょう、と食堂の経営者がお客さんに一言話して、みんな一斉に「いただきます」を発声して、ご飯を食べ始めました。食事中はテーブルの上の食べ物の話や雑談に興じました。この点は廿日市市の例と異なります。最初に紹介した廿日市市のこども食堂は客の母子同士や子どもの交流の場になっているように思いました。後者の広島市西区のこども食堂は、主に小学生を対象にした食事提供型の感じでした。一般の食堂はお金を払って食べるだけですが、こども食堂は名前などを書いてお客になる、ということが大きな違いです。それはこども食堂を中心とする、コミュニティづくりの一つの工夫かも知れません。こども食堂は地域によって、経営者によって、いろいろな事情によって、多様な形がありそうです。今後も時々こども食堂へ行って、子供達と話ができれば面白そうです。(中島正博)

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