認知症にやさしい地域づくりを考える(2)

「広げよう見守りの輪~心でつなぐ、地域でつつむ認知症」第2回講座が5月13日に私の町で開催されました。今回のテーマは「認知症について学びを深めよう」です。場所は無印良品広島アルパーク「まちの保健室」のオープンスペースでした。前回は広島市の在宅生活指導員が講座の進行をしましたが、今回は広島市認知症地域支援推進員の案内でした。私たち参加者約30人は3グループに分かれテーブルにつきました。

先ずは第1回の講座の振り返りのために、前回に話し合った内容として、認知症の症状が起きたら、私は生活の中でどんなことに困るだろうか、認知症の方に自分ができることはどんなことがあるだろうか、などの意見のまとめを復習しました。また参加者が書いたアンケートのまとめも紹介されました。

今回の講座の最初は広島市が作成した認知症ガイドブックの紹介です。先ずガイドブックの『予防活動編』の内容は①食事で認知症を予防、②運動で予防、③脳を活性化させるトレーニング、④楽しい趣味をもつことの具体例などです。次に『あんしんガイドブック』の内容は①認知症の進行による様子の変化と進行の各段階での家族の心構え、②認知症の進行において利用できる支援やその内容、相談窓口などの説明です。ガイドブックの紹介の次は、今回のメインイベントのお楽しみ「認知症すごろくゲーム」の開始です。

冒頭の写真がこのすごろくゲームです。結論を先に言うと、このゲームは大変良くできています。以下に紹介します。認知症の進行の大まかな段階すなわち①認知症の疑い(気づきの時期)、②見守りが必要(発症した時期)、③日常生活に手助けが必要(症状が多くなる時期)、④常に介護が必要(身体の障害も複合する時期)という時間的な経過に沿って、サイコロの目でスタートからゴールまで先に進みます。各段階ではすごろくで進んだり止まったりするために、さらに細かいステップ(マス目)が現れます。ステップというのは認知症の症状の気づき、例えば物忘れが多くなった、‥、薬を飲み忘れることが多くなった、‥、顔は分かっているけど名前が出てこない、‥、いつも通帳を失くしたと言っている、‥、何を言われているのか分からない、‥等々です。

幸いなことにすごろくで進む方向は、常に認知症が悪化する一方向のみではありません。2ステップを戻ったり、休んだりするチャンスもあります。じゃんけんをして勝ったら、「認知症改善コース」に進むチャンスが2回あります。つまり先述の③「日常生活に手助けが必要な段階」から、②「見守りが必要な段階」へ戻られます。これは「スタート」の私たちの元気な時期から、最期の運命の「ゴール」へ向かう間に、私たちの努力によってはプラスの寿命を楽しむ希望も用意されているのです。

先述の④「常に介護が必要な段階」では、サイコロをふって偶数なら施設コースへ、奇数なら在宅コースへ進みます。施設コースに進んだら残りのステップの数は少なく、最終ステップの発言「誰か分からないけど、親切な人だ。おふくろかな?」の次はゴール(恐らく最期の天国)です。在宅コースに進むと最終ステップの謎めいた発言「町内会の見守りも定着してきた。私が年をとっても、この地域に住み続けたいな」の次がゴールです。

遊びの要素として「脳トレ」のステップもあります。例えば野菜の名前を10個言う、後出しじゃんけんで負けを競う、同時に右手で2拍子・左手で3拍子の手振り等々です。また「体操の時間」と称して、首をゆっくり回す、座ったままで足を上げる、イスから立ったり座ったり、肩を回す等々の息抜きの時間があります。学習の要素として高齢者サロン、介護保険、認知症カフェ、成年後見制度、老人保健施設などの社会資源、そしてデイケア、訪問介護、認知症専門医、配食サービス等々、介護関連のサービスに関して多くの事を学ぶ機会も用意されています。

このゲームは良くできています。すごろくで多くのステップを進むことで、ゲームの参加者は「疑似体験」をしながら学べるのです。つまり参加者はゲーム感覚で楽しみながら、認知症の進行を自分事として感じる状況に置かれます。すごろくゲームなので、速く進みたい気持ちがあったためか、私はテーブルの参加者の中で最初にゴールインしてしまいました。疑似体験で良かったです。次回第3回のテーマは講座の最終目標「私たちが地域でできることは何だろう」です。1か月後に次回のご報告をします。(中島正博)

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