都市公園で開催する「もとまち自遊ひろば」は、各所から入れ替わり遊びに来る「都市型」の冒険遊び場です。同時に、月2回ではあるものの、「常連のこどもの存在」や目の前の市営住宅などから「こどもだけで歩いてくる」、「親同士のコミュニティ形成」などの事実から、参加者が定着し育成可能な「地域型」の遊び場の要素も含んでいます。こどものつくりだす自由な遊び場のエッセンスを醸しながら、広くたくさんの方に触れて頂きます。
広島市安佐北区の寺山プレーパークとともに、広島市の基幹パークとしての役割を持ちながら、遊び場を長く安定的に継続していくには、信念をもったリーダーや担い手の育成が必要です。長く続けてきたことで、通りすがりに遊ぶこどもの様子を見ながら、声をかけてくださる地元の方も増えてきています。そして、それら多様な人々を巻き込むための現場での調整役が、遊び場の継続・発展の要となってくるでしょう。
子どもが群れて遊べる環境
親が安心して外へ送りだせる地域
地域の大人が元気に見守り合える社会
地域で遊び場づくりを始めたい人が、誰でも活動に取り組めるようにしたい。横浜市の事例(「横浜市プレイパーク運営支援要項」)にあるように、公共の場を使いやすくするための制度を整え、市民へ提供することもその一つです。思いを共にする人が繋がれば、活動は広がり自然に発展していきます。地域には、それだけの人材と独自性が備わっています。基幹パークの役割は、思いを共にする人を繋げていくことにあるといえます。公共をあずかる行政と協働体勢をつくり、市民へと繋げていくことです。8年目を迎える自遊ひろばが今まで築いてきた繋がりを、活かしていく時期にきているように思っています。
「遊び場」はこどものためだけではない
親は息抜きをし、他所の子育てに触れ、自分の時間を取り戻します。子育て支援の場にもなります。年配者はこどもに元気をもらうかもしれません。こどもの時を共有し、こどもの心を思い出します。若者はこどもになって遊びたおし、遊びなおす。遊びは自分のものであるからこそ、主体的に関われる場です。何もしなくてもよい場です。それぞれの関わり方があり、それが遊び場全体としての雰囲気をつくりだす。「あそび」を通して三世代が集う「遊び場」は、担い手が循環する地域コミュニティの場となり得るのではないでしょうか。
この度の7月に起こった集中豪雨により広島県内各地は大きな被害を受けました。被災地の生活再建が進むとともに、支援のニーズも変化してきています。こどもの居場所・遊び場もその一つです。既に、こども食堂や預かりの場などを住民や地域団体主体で、立ち上げられているところもあります。夏休みに入り、戸外の遊び場を求める声も出てきています。自分たちのできることを協力し合いつくる場は、子どもはもちろん大人にとっても必要な地域の居場所になっていくと思います。(NPO法人セトラひろしま理事 六百田裕子)
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