ひろしまジン大学の授業に参加

ひろしまジン大学」の「はつかいち暮らしのことゼミナール」3回シリーズの第1回に先週11日に参加しました。「ひろしまジン大学」は広島県の多くの町で市民の学びを促進しているNPO法人です。「はつかいち」は廿日市市のことで広島市に隣接し、市内には世界遺産の宮島があります。この「ジン大」が、コミュニティづくり研究所の趣旨にピッタリの、私にはとても興味のあるテーマで3回のゼミを開催することをネットで知り、早速応募して参加させて頂きました。そのゼミナールのテーマは、主催する「ジン大」の説明を引用することが正確で手っ取り早いでしょう。テーマは以下の通りです。

――――――――――――――――― 以下引用 ―――――――――――――――

第1回 想像してみる
「20年後(2040年)のはつかいち暮らしって?」
20年後の廿日市市、高齢化のピークを迎えます。
高齢化、人口減少…その時、はつかいちはどのようになっているのでしょうか。
そして、あなたはどんな暮らしをしていたいですか?
リアルな数字を見ながら、20年後のまちと自分を想像し、
幸せな「はつかいち暮らし」に向けて、
今からできるアイデアを考えてみましょう。

第2回 つくってみる
「小さな取り組みを考えよう!」
ひとりひとりが大切に思う豊かな暮らしってどんなもの?
近所の人と顔見知り?生きがいや居場所がある?
それぞれの思う豊かな暮らしのキーワードを考え、
2040年、はつかいちで「幸せに」暮らすために
「あったらいいな」というプロジェクトを考え、
小さくやってみるための作戦会議を行います。
たとえば、近所の人を呼んでバーベキューをしてみる、
たとえば、健康づくりを兼ねてゴミ拾いをしてみる、
たとえば、近所のお店の人を先生に学びをつくってみる
みんなでわいわいと話しながら楽しく企てましょう!

実践 やってみる (11月中)
「小さくやってみよう!」
第2回で企画したことを無理のない範囲でやってみます。
大切なことは「小さく」やってみる。
近所の人とBBQ、家の前でガレージセールなど、
それぞれの「はつかいち暮らし」を
ちょっとだけ豊かにするアイデアを実践してみましょう。

第3回 共有してみる
「やってみたことの報告&持ち寄りパーティー」
やってみたことの報告とふりかえりを行います。
できたこと、もう一歩だったこと、今後に向けて話し合います。
後半は、お疲れ様会もかねての持ち寄りパーティー。
おすすめの食べ物飲み物を持ち寄って、交流しましょう!

――――――――――――――――― 以上引用 ――――――――――――――――

第1回ゼミのキーワードは「暮らし」だと思います。日々の平凡な身近な生活ですね。第2回ゼミは「小さな取り組み」でしょう。大きなことは実践が大変で、やれないかもしれない。小さくても確実にやれるアイデアが求められます。11月の1カ月の間にそれを実践し、人との新しい関わりを経験して、12月の第3回ゼミで授業の参加者と共有して学び合います。全体を通して、過去・現在から見える未来の孤独な社会を想像し、未来の望ましい自分の暮らしのためにできる何かを企てて、それを実践して、実践で得た自分と他人のコミュニケーションや自分の学びを共有する、一つの実験的なプロジェクトと言えるでしょう。全体の構成が面白く、いろんな受講生の反応に興味があり、若い人たちの考えを知る機会になり、今後の「コミュニティづくり研究所」の参考になると思いました。

ゼミナールはまずジン大スタッフの2人の絶妙な会話による導入から始まりました。くじで町内会長になってしまったスタッフの話。また、菓子折りをもって、自宅の電灯の交換を依頼しに来た、上階に住む高齢者と初めてコミュニケーションができて嬉しかった、と言うスタッフの話。いずれも異例のようですが現代の世相に象徴的な話です。

そして、今回のテーマとして、私たちの20年後の暮らしを「想像」するために、厳しい現実を学びました。現在進行中の少子高齢化の全国の傾向、二人世帯や独居世帯の増加傾向、引きこもりの人口に関する全国調査結果、それらが未来に何を示唆するか、また地域行事に対する廿日市市民の参加状況、参加しない理由などが紹介されました。このような現在の傾向と将来予測は明るい社会を想像させませんでした。それらのデータを示された後、受講生の私たちに与えられたのは、20年後の自分の望ましい暮らしを想像して、そのために何をしたいか、簡単な文章にすることでした。

私は今回の参加者の中で最も年寄りです。20年後は90歳近くで生きているか死んでいるかも分からない先のことです。控えめの様ですが、自分の足で歩けて、近所の人たちとお付き合いのできる暮らしを望みたいと思いました。皆が文章に書き終えた後、受講生たちが3人一組になって、20年後の自分の暮らしを互いに説明しました。

次回のゼミ第2回は今月の下旬に開催されて、テーマは「小さな自分の取り組みを考えよう!」です。さてこのゼミはどのように推移してゆくでしょうか。私の受け止めた印象を中心にさらに報告したいと思います。他のゼミ生の感想は3回のシリーズが終わった後、ひろしまジン大学のサイトの「授業レポート」に紹介されるはずです。今回はゼミナールの興味深い趣旨と第1回の大要を紹介して、次回の展開に備えることにします。皆さん、楽しみですね。(中島正博)

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